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公演迫る!アンリ・バルダ ピアノ・リサイタル 曲目解説②

2019-12-01 03:26:07

フランスの巨匠ピアニスト、
アンリ・バルダがついに来日いたしました!


12/3(火)の東京文化会館でのオール・ショパン・リサイタルに先駆け、
音楽評論家の青澤唯夫氏が執筆くださった曲目解説を特別に公開いたします!

本日はショパンのピアノ・ソナタ第2番(葬送)とバラード第1番・第4番をご紹介。
ぜひご覧ください!


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ピアノ・ソナタ第2番変ロ短調op.35「葬送」
 
 1837年に変ロ短調の「葬送行進曲」を作曲。そして2年後の夏、ノアンのサンドの館でその葬送行進曲を緩徐楽章に据えて、新たに独創的なピアノ・ソナタを完成させた。類を見ない構成とロマン的な性格をもったピアノ音楽の傑作として、高い人気を誇り、世界各地で演奏されている。
 
 第1楽章はグラーヴェ、ドッピオ・モヴィメント。序奏をもったソナタ形式。悲劇的な内容を暗示する。第2楽章はスケルツォ。前例のない楽想、大規模で複雑な構造をもつ。第3楽章は名高い葬送行進曲。第4楽章はプレスト、複合2部形式。ショパンは「左手が右手とユニゾンで語り合う」と言っている。
 
 
 
バラード第1番op.23、第4番op.52
 
 ショパンはバラードを4曲残した。
吟遊詩人や文学作品の描く物語的な多様な世界を音楽で表現したかったのだろう。
 
 第1番ト短調は、1833年から35年にかけての作曲。ソナタ形式を下敷きにして、その自由な変形だが、若々しい情熱、美しい旋律とヒロイックな物語性が魅力。
 
 第4番ヘ短調は、1842年から43年にかけての作曲。大胆な曲想、陰翳に富んだ情感、充実した書法など、円熟を物語る。ソナタ形式だが変奏曲、ロンドの要素を取り入れて幻想曲風。情緒を歌いあげる序奏から、主題を変化させながら曲を組み上げてゆく。対位法の技術、和声的な効果も無類。
 
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アンリ・バルダ ピアノ・リサイタル

201912/3(火) 19時開演 東京文化会館(大)

<オール・ショパン>

4つの即興曲、舟歌、バラード第1番・第4

葬送ソナタ、ソナタ第3番 ほか

http://www.concert.co.jp/concert/detail/1989/